闇雲の描き始めずに計画を立ててみませんか。

絵画創作の方向付

絵の描き始めた最初のうちは、対象をコピーすることから習います。
少々修練を積んだ後、自分の個性的な作風を目指そうと創作のステージに立とうとします。このステージに立たとうとする方へ伝えている事柄を記述していきます。

「創作の為のプロセス」
 Ⅰ・モチーフを決める:これから描こうとする対象物です。勿論、心の中の対象物でも構いません。
 Ⅱ・テーマを決める何故、そのモチーフに心動かされたのか?その感動の元になった奥のものがテーマです。
 Ⅲ・題名を決めるテーマを現す言葉が題名です。題名を決めると制作の助けになるし、鑑賞者の助けになります。私は、題名はとても重要と考えます。
 Ⅳ・大枠を決める<作画プラン、構想を練る>テーマを適切に表現するための方法を模索していきます。
・構図
 1)キャンバスの縦横(縦横比)を決める。
 2)アイレベル(水平線)を決める(抽象であれば仮想の)
 3)モチーフを配置する(主役、脇役)この時、導線(ムーブメント)を考える。
・色調
 1)コントラスト(白から黒のグレースケールの内どの範囲を使うか)(ハイコントラスト、ローコントラスト、ハイキー、ローキー)
 2)全体の色調計画(主調色、配色、補色、暖色系、寒色系、高彩度、低彩度、モノトーン)
・形(面と線)
 1)オーガニック的な形 幾何学的な形
 2)シャープかソフトか
 3)境界は急なのか なだらかか(ボケ足)
 4)タッチは大きいか小さいか 勢いは速いか遅いか
 5)マチエールの凸凹は(ヌルヌル、ツルツル、スベスベ、サラサラ、ザラザラ、ゴツゴツ)
 6)質感(テクスチャー:材質感)木、金属、水、土、布、プラスティック等
・リズムと速さ
 1)リズムはマーチかワルツかそれとも4拍子か?
 2)速さはアダージョかアレグロか?
Ⅴ・作画画材・基底材・マチエールの重要性を確認作画(地塗り)に入る。スケッチやエスキースを元に描き始める。
Ⅵ・まとめ
 【作者の想い(訴えたいこと)】をどのような【表現要素】を選択して、どんな【表現技法】を駆使して創作していくかです。それは特に、鑑賞者の立場からすれば、自然の法則(引力など物理の法則、人間の本能等)に沿ったものでなくてはなりません。絵の概念を一行で表すと「心地よい絵とは単純なルールに従った複雑さ」と言えます。例えば黄金分割や白金分割か単純なルールですが平方根をいう複雑な縦横比です。このようなものに人は美しさを感じるのです。誰でもがこの感性を持っています。先生と言われる評論家や作家、また一般の方も色々な事を十人十色で言ってきます。その時、聞き手のあなたは次の三つに分類して聞いてみて下さい。その話は「知識」についてか「感性」の内容か「技法」の問題なのか、どれにあたるのか分けてみるのです。そうすれば整理が出来て理解しやすくなります。それでも人の話を聞いて難しかったり、訳が分からないことは忘れた方が賢明です。取捨選択して残ったものが個性です。惑わされず自分の感性を信じて下さい。そして自分が足りないものは何か分析して下さい。「知識」「感性」「技法」どれですか?進むべき方向が見えてきます。


【絵の構成・作画計画】

1)テーマを決める(感じる情景) これを如何に表現するか・・・
2)モチーフを選ぶ
3)キャンバスの縦横を決める。
4)モチーフを配置する。主体物、脇役は、目の流れ→構図
5)全体の色調計画(主張色、配色、補色、暖色系、寒色系、中間色)
6) イメージ配色(ナチュラル、プリティー、カジュアル、・・・・)
7)コントラスト(白から黒のグラデーションの内どの範囲を使うか)(ハイコントラスト、ロー・・・、ハイキー、ローキー)
8)タッチは、マチエールはどうするか
9)テーマに沿った画材は何か選択する
10) 画面と対話しながら、自分の感性を信じ、テーマを表現していく 絵を描いていく時、闇雲に描き進めていくと収集がつかなくなります。 大きなプランを頭に思い描きながら進めましょう。 大まかな概念的な制作工程

  • 心を動かされたモチーフから主題を決める。
  • 主体物、客対物の関係を探る。
  • ムーブマンを考えながら構図を策定する。
  • どういうマチエールにするかの予定を立てる。
  • ラチチュードのめどを立てる。
  • 色彩計画を立てる
  • 自分のタッチで描画する
  • 描かれていく制作画面に教わりながら描画を進める。(客観的に自分の絵をみる)

  テーマについて
 テーマ。主題について考えます。 絵にする対象は様々です。この世に存在するもの、するであろうもの、させたい事柄。何もかもが絵に成り得ます。 自然の風景、現象、動植物、有機物、無機物。神話、物語、詩。人間、想像、夢、社会現象。食欲、性欲、芸術そのもの。 人により関心の度合いは異なります。人は自分の関心事を共有したい、させたいのです。そして、共有し共鳴したときに 喜びを感じるのです。関心事を伝えるメディアは多様です。踊り、詩歌、文学、論文、音楽、写真、彫刻、絵画。 ある事物を見て描いてみたくなった。何かに、創作意欲を掻き立てられ心を動かされものをモチーフと言います。 心動かされた理由がテーマです。真っ赤に色づいたリンゴが綺麗だったとか、美味しそうだとかがそれです。 美味しさを描き鑑賞者に伝えるにはどうするのか。一番効果的な演出法をみつけなくてはなりません。 そのプランを考えます。作画意図です。構図はどうするのか、形は、基調色は、階調はテクスチャーは全体的な 大きなプランが必要です。 テーマがあってそれを描いていく。この流れが一般的だと思います。ですが、描いている最中にテーマが見えてくる 事があります。新たな発見と言うのでしょう。 ある熟女をモチーフに、その女性の内面を主題に描こうと試みる。 作者はその女性に何を感じたのか。いつまでも少女の面影を残す清純さか?世を達観した落ち着きか? 人生を諦め切った虚脱感か?ふしだらまでもの官能美か? いずれにしても、熟女が主体物になる。客対物を何にするか?主役を引き立てるには脇役のほうが重要なことがある。 脇役を美少女のような少年にするのか、年輪の刻まれた老女にするのかに依って、主役の見え方が大きく左右される。 背景をどうするかも又、重要である。 荒廃した工場跡なのか、中世ヨーロッパのお城の一室なのか、スチエーション、状況設定もテーマに沿ったものでなくてはならない。 一枚の絵を描くに、様々な演出方法が有ると思うが、斬新さ、奇抜さを求めるあまり、テーマを見失ってはならない。 一枚の絵は一つの小宇宙です。その中ではあれもこれも入れて多くの事柄を語ると、テーマがぼけてしまう。 焦点を絞り込もう。入れるか、省くかで迷ったら、省く方向で進めよう。

 構図について  
構図について考えます。絵を描くとき、一般的には四角い画面に描きます。 正方形も有りますが、縦長にするのか横長にするのか、構図を決める一歩です。 

縦位置と横位置 
キャンバスを縦位置か横位置に使うのか、何気なく決めている人も多いと思います。 無意識で決めた位置が、多分、それで正しいでしょう。ですが、 ある意識をもって描こうとするならば考えてみるのも必要です。特に抽象画の場合などは 縦の方向の線・・・・・厳しさ、成長、時の停止 横の方向の線・・・・・穏やかさ、広がり、時の流れ 縦線と横線にはこのような性質があります。テーマにそって縦構図か横構図かを決めます。 縦横比を大をおおきくすることは、縦線と横線の性質の差を鮮明にさせることです。(F、P、M) 正方形はこれらの性質が合い拮抗するものです。 その場に留まった自己完結型と言うか、渦巻き状の構図、あるルーチンを描くのに適してると考えます。 

アイレベル アイレベル、目線即ち水平線の位置を決めます。画面の上の方なのか、下の方なのか。 高いところから鳥瞰してるのか低いところから俯瞰しているのか。 風景画であるななば、空を多く描くのか、大地を多く描くのかの違いです。 小高い丘に登り海を眺めているのならば、水平線は上の方。 草原に寝そべって雲をみているのならば水平線は下の方になります。 言うまでもないでしょうが、空と大地の境がアイレベルではありません。 高い山を描いたとき、空と山の端の境は画面の上部にあり、アイレベルは下の方に在るはずです。 

三角構図 どっしりと安定した画面になります。 動きの少ない構図ですが、三角形の頂点を左右にずらすことで動きが出てきます。

 逆三角構図  不安定な画面になります。かと言って大きな動きが出るかと言うと、そうでもありません。 (一概には断言できませんが) 

菱形構図 いわゆる、日の丸構図のことで、主体物が真ん中にあるものです。 まとまり易いですが、変化に乏しく、どちらかと言うと、退屈になりがちです。

 対角線構図  奧行きを表現し易くなります。斜めの線は動き、奥行きを表現します。

 主体物の位置  菱形構図と関連してきましが、主体物を中央に添えますと、動きがとぼしくなります。 絵とは何らかの変化です。位置の変化もあったほうがいいと考えます。 

三次元の構図 これまでは、平面上な構図について述べてきました。ここでは前後の奥行き、位置関係の構図についてです。 奥行きを、前景、中景、背景の三つに分けるとします。 背景は普通画面の上の方になりますが、上下との関係ではなく、手前か奥かとの三次元の空間で構図を意識する必要があります。 主体物が前景、中景、背景のどの位置に配置するのか、客体物を何処にするのか。 これを意識する事で、空間を縫って動き回ることが出来るようになります。画面の中で散歩が出来るようになるのです。 散歩の動きを妨げないようにモチーフを配置して下さい。 

アイキャッチャー 構図のカテゴリーに入れられるかは疑問ですが、構図を動きとするならば、アイキャッチャーはその起点です。 ポスターの世界ではアイキャッチャーについてやかましくいわれます。 多くのポスターの中で目立たなくてはならないからです。 絵画の世界でもアイキャッチャーを動きの起点と捉え意識していてもいいでしょう。

 ムーブメント  私は、ムーブメントを画面に与えるために構図を云々してるを思っています。 アイキャッチャーから画面の何処から何処へと動かしていくのか。 その流れを画面上からサヨナラさせてしまうのか、渦巻きのように回転させるのか、 放射状から一点に集中させるのか、左右に広がっていくのか、ランダムに動き回らせるのか。 画面からはみ出たものをまた画面に引き戻すのが理想と考える。 また、動きの早さに変化を付けましょう。マーチなのか、ワルツなのか、リズムです。 主体物と客体物の関係と、構図、タッチ、形によって動きが与えられます。 

フォルムについて 形から受ける感覚は物理的である。地球上の重力と大いに関係する。 例えば、蓮の葉の上の水滴は、表面張力で球になろうとする。重力はそれとつぶして平面にしようとする。 二つの力の拮抗が、楕円の球を形つくる。風に揺さぶられた蓮の葉左右にゆれる。 その上の水滴は慣性の法則で、楕円の球が歪む。 上に伸びようとする力は成長を表し、水平方向は広がり発展を表し、下方向にうな垂れる形は落胆と慈悲を表す。 鋭角な形は鋭さを表し、滑らかな曲線は温和さを表す。 形や色から受ける感情は、物を連想することで感じとっているのだろう。 汚いものには形がはっきりしないものが多い。

 点線面  数学的な見方であれば、点は位置を表し。線は点の移動の軌跡であり、面は線の移動の軌跡である。 二次元の面で初めて目に見える形となる。 絵画の方からみれば、鉛筆でトンと印せば点である。筆で線を引けば面積があっても線です。 本来的には、線は面と面の境界です。写実的なタブローであれば、ヌリ絵のような縁取られた線は不自然です。 面で捕らえろと、言われることがあると思います。このことと関連しています。 

幾何学的な形 コンパスや定規で描いたような、丸、三角、四角などの形です。 無機質で近代的な工業製品を連想させます。ドライで男性的な形と言う人もいます。 

オーガニックな形 有機的な自然界に多く見られる形です。流れる様な曲線が多く、温かみを感じます。 ウエットで女性的な形と言う人もいます。

 マチエールについて  言葉の意味としては材料のことだが、一般的には絵の表面の地肌感でザラザラ、ツルツル、デコボコなどを指すようだ。 絵の具自身の凹凸や、絵の具に砂を混ぜたり、地塗りの時に盛り上げ材を塗ったりするが、後々まで影響を受ける。 最初から計画性がなくてはならない。 マチエールと同じような意味の言葉ににテクスチャアと言う言葉がある。 これは、材質感とか風合いを表す。同じ黒の布地でも、絹、羊毛、麻では感じは大分違います。 えの世界で、これは質感表現に近くなってきます。 絵のタッチはマチエールをも作っている場合があります。 いずれにしても、どういうマチエールにするかは相当重要な要素である。これで作風が決まるともいえます。 

配色計画について 画面全体の主調色はは何にするのか、明度はコントラストはなどと、大きなプランをもって描き始める必要があります。 

明度とコントラスト 黒から白までを段階的にあらわすと図のようになります。これをグレースケールと呼びます。 グレースケール このグレースケールのどこからどこまでを使用するかによってコントラストがきまります。 使用する幅がひろければハイコントラスト。狭ければローコントラストと言います。 使用する幅が同じであっても明るい方だけ使用するのであればハイキー。暗い方だけであればローキーといいます。 これらは写真の方で多く使われる言葉です。ついでに、余談かもしれませんがラチチュードについての説明です。 ラチチュードとは写真用語の相反則不軌内の幅である。 ラチチュードが広いということは明るいところから暗いところまで撮影可能な許容範囲が広いということです。 撮影時の適正露出はら何縛りのずれても綺麗に仕上がるフイルムを、ラチチュードの広いフイルムといいます。 単純に言えば光のグレースケール(EV値)の何処から何処まで使用可能かということです。 作画するに当たって、ハイコントラストにするか、ローコントラストにするか、ハイキーか、ローキーかを考えます。 コントラストと濃度のめどをつけたら、画面上の何処に置いていくかです。 具象画だと対象を写し取ることが主になりますが、それでもこの考え方は重要です。 画面の下から上に向かって明るくしていく。逆に下に向かって明るくしていく。中央に向かって明るくしていく。 てんでんバラバラ、ランダムに配置する。この配置で絵の大筋が決まります。 それと、ハイライトとシャドーを何処にするかも考えます。 付け足しになります。ローキーの絵でもハイライトは必要だと私は思っています。 

主調色と配色 色は色々あります。 コンピューターのデジタルの世界ではR、G、B、各色8ビットで表しで256色の組み合わせです。 即ち、256の3乗で1670万余色。これをフルカラーと称されています。 色数は無限といわれますが、やはり人間の目の分解能、識別可能な数とした方がよさそうです。 これらの色を全て使う訳ではありません。その中から、冷たいとか暖かいとかのテーマにそった主調とする色を選んでいきます。 感情を表現するには、暖色系の色、寒色系の色とに意識することは大切です。 特にシャドー部は暗くすればいいと安易に思わないで下さい。ここの、暖色、寒色で受ける印象が大いに変わります。 主張する基調色として、それを助ける色を配置していきます。色数を多くするか、少なくするか、派手にするか、地味にするか。 思い描いておきます。そうすれば、パレットに出す色が決まってきます。 色の分量なのです。 好きな絵を見て、色の分量の比を、紙に面積比で平面的に塗り分けてみるのも参考になります。

言語イメージスケール r左図は講談社刊 小林重順著 日本カラー研究所編 「カラーイメージスケール」 の中の言語イメージスケールです。 イラストレーターでトレースさせて頂きました。 横軸の左から右に、暖色系の色から寒色系へ 縦軸は上から下へ、柔らかい色から強い色へ その座標の領域を言葉で表したものです。 この「カラーイメージスケール」はイメージと人間を 言葉で繋げようと試みたものです。 多分、デザイナーをターゲットにした書籍でしょうが 絵を描く上でも大いに参考になります。 日常生活の色彩計画にも役立ちます。 色刷りの「配色イメージスケール」も掲載されています。 お勧めの一冊です。

  •  観念的な制作工程心を動かされたモチーフから主題を決める。
  • 主体物、客対物の関係を探る。
  • ムーブマンを考えながら構図を策定する。
  • どういうマチエールにするかの予定を立てる。
  • ラチチュードのめどを立てる。
  • 色彩計画を立てる
  • 自分のタッチで描画する
  • 描かれていく制作画面に教わりながら描画を進める。(客観的に自分の絵をみる)

上記の「大まかな制作工程を進行させるに何が必要か分類を考える。 まずは次の四本の大きな柱が考えられる。 1.      心・・・・・・絵を描きたいという意志、意欲、美しいと感ずる感性、表現したいという気持ち。 2.     運動・・・・・直線を描く、円を描く。平面を塗り潰す。人間の体の運動の結果によりなされる。繰り返しの訓練。  3.     知識・・・・・点線面の知識。構図の知識。色彩についての知識。 4.      道具、材料・・紙、キャンバス、絵の具、筆。材料、道具がなければ始まらない。 絵を描きたいと思う心が、手が道具を取らせ、知識と経験を駆使し、心の命ずるままに動いていく。  12 については各人の問題であり、余人が関与できる領域ではないと考える。 先天的才能や、各人の訓練、努力、経験に左右される。 従って、ここで取り上げられるのは、 34 である。この2項目は技法書に属する事柄である。 だが、技法だけで事足りる訳でないのは言うまでもない。  - 意、余って、技足らず。技、余って、心無し。- このHPを記述した者は学者ではありません。 実際に絵を描いてる絵描きです。そのものが体験的に得た知識と、読んだり習ってきたもので、 頭に残っているものや大切だなと感じている事柄を記述しました。 正確さに欠ける点が多々あるかと思います。その辺のところはご勘弁を願って、大意を汲んで下さい。 

技法 



■ 混色法について


 

Lorem ipsum dolor sit amet, at mei dolore tritani repudiandae. In his nemore temporibus consequuntur, vim ad prima vivendum consetetur. Viderer feugiat at pro, mea aperiam